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メンタルケア

毎日の生活に取り入れるマインドフルネスのすすめ

2019.10.15

いま、ここにいる感覚をあじわう

フェイスブック社やグーグル社などアメリカの先進企業が最初に着目し、日本でも取り入れる企業が増えてきたマインドフルネス。社員が仕事の生産性の向上はもちろん生活の質の向上を実感しています。

マインドフルネスを直訳すると「心が満たされた状態」という意味でヨガや禅などの瞑想法から発展したものだと言われています。
アメリカのマサチューセッツ医科大学において、ジョン・カバットジン博士は瞑想が健康にもたらす効果について数々の研究を行い、高血圧や糖尿病、不安、うつ、食欲異常亢進、睡眠障害などに効果があることを証明し、マインドフルネスを「判断をせずに充分に”今ここ”に注意を払っている心の状態」と定義づけました。

立ち止まる事で一時的な「ゆとり」がうまれる

私が学ぶヨガの教え、ヴェーダンタの先生であるスワミ・チェータナーナーンダ師は、「人は人生で役割を演じている演者であってその役そのものではないのに、自分と役を同一視していて苦しんでいる」と言います。
演者は「ゆとり」がありますが、私たちは自分に無知で演者であることを知らず、役となり苦しみます。そしてその「ゆとり」がないとき、「良い・悪い」の知識よりも主観的な「好き・嫌い」に基づいて判断してしまいます。自分を知って内側に「ゆとり」があり成熟した人は良い判断ができますが、自分に無知な時は悪い事でも自分にとっては好ましく見えてしまいます。自分に無知で誤った判断をしてしまうことが私たちのストレスとなるのです。

呼吸と身体を感じてみる

ここではまずは、日常のストレスフルな生活の中で私たちが少し立ち止まって「一時的なゆとり」を持つための方法、マインドフルネスについてお話ししたいと思います。マインドフルネスは様々な練習方法がありますが、今回は誰でも簡単にできる呼吸法と身体の動きを使った方法をご紹介します。

1)腰幅に足を開いて立ちます。
背中が壁に軽く触れているのをイメージすると真っ直ぐに立つことができます。

2)呼吸に意識を向けます。
まずはコントロールや努力を加えない自然な呼吸を観察します。

3)少しずつ呼吸を深めて完全呼吸(深呼吸)へと移ります。
下腹部→お腹→胸の順に息を吸い込み、胸→お腹→下腹部の順に吐き出します。回数を重ねるごとに胸いっぱいに吸い込み、下腹部を引き締めて吐く練習を加えましょう。

4)腕の重さを観察します。そして重さを感じたまま、吸う息で手を体の横から上に持ち上げます。肩の高さで一度止まり再び重さを確認します。そして可能であればそこからさらに息を吸いながら肩幅まで持ち上げます。

5)バンザイの姿勢で完全呼吸を数回行います。
大地を踏みしめ足の裏から根が張るようなイメージ、手は空へ伸びて行く意識を持ちます。肩はリラックスして下げておきましょう。

6)筋肉の状態や血液の流れなどに意識を向けたままゆっくりと息を吐きながら手を下ろして余韻を味わいます。

この動作を1回〜数回繰り返します。

判断をせずに、ただ呼吸や身体に意識を向けたり余韻を味わっている時がマインドフルネスです。

病気を防ぎ健康で幸せな毎日を過ごすために気軽に生活の中に加えてみてください。「一時的なゆとり」から「ゆとり」完成へあゆんでみましょう。

小上 陽子 氏
(株)TAMISA 代表取締役(株)YinYang 代表取締役

京都市内でヨガスタジオTAMISAと2つのビーガンカフェ、Smoothie etcとVegOut-vegan cafe を運営している。また、自分たちが自信を持って心地よく着用できるヨガウエアを求めて、オーガニックコットンや草木染めの素材をメインにエコでコンシャスなヨガウエアブランド yinyang を仲間とともに立ち上げ、(株)YinYangの代表をつとめる。心と身体の健康を保ち、地球と共存するヨガのあるライフスタイルと菜食中心の食事法を発信している。プライベートでは、オルタナティヴ教育を受ける3人の子供たちから学ぶ芸術と科学の神秘に驚き楽しむ日々を送る。
 

日本ベジタリアン協会主催「日本ベジタリアン・アワード2018」ヨガ部門でYOGA賞受賞。
2019年4月より京都市内の高校生に向けてヨガの授業を担当。

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