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ライフスタイル

“陽気”を発散させて、心身のバランスを整える

心と身体を整える暮らし<二十四節気と七十二候>

2020.5.1

私たちの暮らす日本は、春・夏・秋・冬と四季の移り変わりが鮮やかな国。先人たちは、四季の変化を敏感に感じとり、自然に寄り添って生きることで、身も心も健やかに暮らしてきました。“二十四節気”とは、一年を春・夏・秋・冬と分けた各季節を、さらに六つに分け、二十四の期間に名前をつけたもの。“七十二候”は、二十四節気の各節気を、三つの期間に分け、名前をつけたものです。それぞれの季節に合わせた体調管理や、心掛けたいこと、季節折々の行事や楽しみ方などを、“二十四節気”と“七十二候”に沿ってご紹介します。

心身のバランスを崩しやすい「立夏(りっか)」

二十四節気における「立夏」とは、5月上旬~中旬頃。夏の始まりの時期で、新緑がまぶしく、さわやかな風が吹く五月晴れの季節です。その末候が「竹笋生(たけのこしょうず)」。たけのこがひょっこりと顔を出す、5月の中旬頃を示します。一年のうちで、最も過ごしやすい時ですが、4月から始まった新生活に慣れ、気持ちが緩みやすい時期です。何となくやる気が起きない、疲れやすい、イライラするなど、「五月病」の症状が現れやすくなります。また、夏に向かい紫外線が強くなり始める時。紫外線対策を忘れて肌を露出してしまうと、シミやシワ、乾燥など肌老化の原因に繋がるので注意しましょう。

“陽気”を上手に発散させることが大切!

東洋医学の考えでは、夏のピークに向かい、身体の“陽気”が増していく季節です。東洋思想の五行論(木・火・土・金・水)では、夏は「火」の性質が強くなる時期で、五臓のうちの「心」の働きが活発になります。「心」は、身体の中で一番“陽気”が多い臓。“陽気”が盛んになりすぎてしまうと、身体に熱がこもり、オーバーヒートを起こしてしまいます。「心」に熱がこもると、心臓に負担がかかり、「肺」にこもると空咳が出る原因に繋がると考えられています。適度な運動で汗をかき、体内の“陽気”を発散させることが大切です。イライラしやすい時期なので、気持ちを穏やかに保ち、適度な汗をかき、身体の“陽気”を上手に発散させるように心掛けましょう。

“柏餅”は、家督が途絶えない縁起物!?

「端午の節句」は、奈良時代の宮中でも行われていた、古くからの行事。もともとは、中国の風習が日本に伝わったと言われています。端午というのは、五月の初めの午(うま)の日という意味。長い歴史のうちに、5月5日が「端午の日」となりました。鎌倉時代頃から、「端午の日」は男の子の節句とされ、鎧や兜を飾り、健やかな成長を願う日として祝うようになりました。江戸時代になると、関東地方を中心に「こいのぼり」が広まったと伝えられています。また、病気や邪気を払う薬草として、中国で古くから用いられてきた「菖蒲(しょうぶ)」。中国では健康を願い、「菖蒲酒」を飲んでいましたが、日本では「菖蒲湯」として広まっていきました。「菖蒲」は、“尚武”や“勝負”に通じることから、無病息災とともに、子どもの出世を願う気持ちも込められています。「端午の日」に“柏餅”を食べる風習も、日本独自で生まれたもの。柏は、新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、家系が絶えない縁起物とされたそうです。

廣田 美千代
女性サイトの編集長を経て、フリーランスに。 雑誌やWEB媒体を中心に、美容記事やインタビュー記事を随筆。WEBプロデューサーとしての経験を活かし、 コンテンツの企画・制作や、化粧品会社のWEBコンサルティングなどにも携わる。

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