ライフスタイル
気の巡りが崩れやすい季節、イライラにご用心!
心と身体を整える暮らし<二十四節気と七十二候>
2020.2.1
私たちの暮らす日本は、春・夏・秋・冬と四季の移り変わりが鮮やかな国。先人たちは、四季の変化を敏感に感じとり、自然に寄り添って生きることで、身も心も健やかに暮らしてきました。“二十四節気”とは、一年を春・夏・秋・冬と分けた各季節を、さらに六つに分け、二十四の期間に名前をつけたもの。“七十二候”は、二十四節気の各節気を、三つの期間に分け、名前をつけたものです。それぞれの季節に合わせた体調管理や、心掛けたいこと、季節折々の行事や楽しみ方などを、“二十四節気”と“七十二候”に沿ってご紹介します。
旧暦では、一年の始まりだった「立春(りっしゅん)」
二十四節気における「立春」は、梅の花が咲き始め、徐々に暖かくなり、春の兆しが現れだす2月上旬~中旬頃。立春を過ぎ、最初に吹く南よりの強い風を“春一番”と言います。この時期の初侯が「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」です。暖かい春風が吹いて、川や湖の氷を解かし始める、2月上旬頃のこと。暖かい風なのに、東風? と思われるかもしれませんが、東風とは、南風を意味します。これは、七十二候が中国から渡ってきた暦であることの名残。中国の陰陽五行の思想で、春は東を司るという考えから、東風と呼ぶそうです。
春に向かい“陰気”から“陽気”にチェンジ!
東洋医学では、春は芽吹きの時。寒い冬から暖かい春へと向かい、身体をウォーミングアップしていく時ですが、移り変わりに馴染めず、心身ともにストレスを起こしがち。冬に旺盛だった“陰気”に変わり、“陽気”が少しずつ増えていく時期なので、気の巡りが崩れやすく、めまいやのぼせ、不眠やイライラなどが起きやすいと考えられています。身体を動かさずにいると、体内を“陽気”が上手に巡らず、身体の上部に停滞しやすくなるため、このような症状が起きやすくなります。散歩やストレッチなど、軽い運動を心掛けるのがオススメです。
節分が、一年に4回もあった!?
旧暦では、一年の始まりは立春からと考えられていました。そのため、節分や八十八夜をなど、立春を起点に定められている季節の節目の行事が多くあります。今では、節分は2月の行事として定着していますが、昔は、季節の変わり目にあたる、立春、立夏、立秋、立冬の前日が、季節を分けるという意味で、すべて節分とされていました。季節の変わり目には、鬼が出ると言われていたことから、「鬼は外、福は内」と言いながら豆をまく習わしが広まったそうです。近年では、節分の日に、その年の縁起のいい方角である恵方を向いて、太巻きを無言で丸かぶりすると、福が来るとか、願い事が叶うなどとされ、新しい習慣として定着しつつあります。今年の節分は、「豆まき」と「恵方巻き」で、福を呼び込んでみては!