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花粉シーズンを乗り切る秘訣とは!?

2021.3.10

毎年、この時期になると、目のかゆみ、鼻水、鼻づまり、くしゃみなど、「花粉症」の症状に悩まされているという方も多いはず…。ある調査によると、日本人の約2人に1人が「花粉症」の可能性があるという結果に。今回は、多くの日本人が悩まされている「花粉症」について、村田祐子保健師にお話しを伺いました。

「花粉症」とはどんな病気?

「花粉症」とは、スギやヒノキなど植物の花粉に対して、身体が引き起こすアレルギー反応です。花粉に対してアレルギーのある方は、体内に入った花粉を外敵と判断し、外敵を排除するためにIgE抗体を作ります。再び、体内に花粉が入ると、花粉に反応するIgE抗体が働き、身体のマスト細胞からヒスタミンというアレルギーを誘発する物質が出てきます。これが、鼻や目の粘膜を刺激し、鼻水やくしゃみといった症状を引き起こすのです。「花粉症」の一般的な症状は、くしゃみや、鼻づまり、鼻水、喉の痛みの他、目のかゆみ、皮膚のかゆみなどが伴う場合もあります。

「花粉症」の症状が初めて現れた方にとって、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなど、風邪の症状と似ていて見分けるのが難しいこともあります。「花粉症」と風邪を見分けるポイントは、発熱や鼻水の状態です。「花粉症」の場合、風邪と違い、発熱はほとんどありません。また、風邪の場合は、サラサラした鼻水からネバネバした鼻水に変わり、色が黄色くなっていくなどの変化がありますが、「花粉症」の場合、粘り気のないサラサラとした水のような鼻水が長く続くのが特徴です。風邪の場合ですと、1週間~2週間程度で症状が改善されますが、花粉の飛散時期に長期的に症状が続くようであれば、「花粉症」の可能性が高いと思われます。

「花粉症」を引き起こす植物とは?

春先に花粉が飛散する「スギ」や「ヒノキ」が有名ですよね。その他にも、春から夏にかけて、4月~6月に飛散する「シラカンバ」や、4月~11月に飛散する「イネ科」、夏から秋にかけて、8月~10月ぐらいに飛散する「ブタクサ」や「ヨモギ」など、「花粉症」を引き起こす植物は、たくさんあります。

「花粉症」は、春先に出てくる症状と思っている方も多いと思いますが、一年を通して、「花粉症」を引き起こす原因となる花粉が飛んでいます。花粉シーズンじゃないから、「花粉症」じゃない! という思い込みには、注意してください。夏でも秋でも「花粉症」にかかる可能性はありますので、症状が現れたら、早めに受診されるのが良いと思います。

毎日の暮らしにおける花粉症対策

「花粉症」の予防&対策として効果的なのは、体内に入る花粉量を減らすことです。晴れの日や曇りの日、気温が高くて湿度が低い日は、花粉が飛散しやすいので要注意。特に、前日までの雨が回復し、天気が良くなり、南風が吹いて気温が上がるような日は、花粉が多く飛ぶようですので気を付けてください。ニュースなどで花粉情報をチェックし、花粉が多く飛ぶと予測された日は、できるだけ外出を控えましょう。

どうしても出かけないといけない場合は、マスク、眼鏡、帽子などを着用して、花粉を防ぐように心掛けましょう。花粉が付着しにくい服を選ぶのもおすすめです。綿やウールの素材は、花粉が付きやすいので、ツルツルとしたポリエステルやナイロン素材の服を選ぶようにしましょう。外出先から帰宅した際は、玄関に入る前に、服についた花粉を落としてから、家に入るように習慣づけることも大切です。

花粉症改善に効果的な食べ物は?

これを食べたら必ず治るという食材はないのですが、「花粉症」は免疫に関わることですので、腸内環境を整えるのが効果的です。ヨーグルトやチーズ、納豆やキムチなど、乳酸菌が含まれる「発酵食品」や、野菜や海藻などに多く含まれる「食物繊維」は、腸内環境のバランスを整えてくれるおすすめの食材です。

また、ストレスによる免疫機能の低下を予防するため、活性酸素の働きを抑える「ビタミンA」、「ビタミンC」、「ビタミンE」も、積極的に摂り入れましょう。イワシや紅鮭などに多く含まれる「ビタミンD」には、免疫を調整する働きがあります。イワシやサバなどの青魚に含まれる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(エイコサペンタエン酸)」には、アレルギーの症状を抑える作用があると言われています。香辛料やスパイスの効いた辛い食べ物や、脂っぽいお肉を食べ過ぎるよりは、和食を中心とした食生活を意識するように心掛けましょう。

花粉症の方に注意して欲しい食べ物

「花粉症」の改善におすすめの食材がある一方、気を付けていただきたい食材もあります。近年、医師などの間では、「花粉症」と「口腔アレルギー症候群」の関連性が着目されています。「口腔アレルギー症候群」とは、生の果物や野菜、大豆などを食べた時、口や喉、耳の奥などに、かゆみや腫れ、痛みを感じる症状です。この症状は、特定の植物の「花粉症」と関連があると考えられており、花粉アレルギーのある方が、その花粉と似たタンパク質をもつ果物や野菜を食べた際、アレルギー反応を起こすことがあります。

例えば、スギ花粉のアレルギーがある方が、トマトを食べると、唇が腫れたり、口内がかゆくなる恐れがあるので、スギの「花粉症」の方は、トマトは要注意です。また、イネ科植物の「花粉症」の方は、メロンやスイカ、トマトやオレンジ、シラカンバの「花粉症」の方は、リンゴや桃、サクランボなどに注意が必要です。ただ、必ずしも症状が出るわけではなく、その時の体調によっても、症状が起きたり、起きなかったりする可能性があります。気になる症状がある方は、早めに医師にご相談してください。

毎日の食事では、免疫力を整えてアレルギーが出にくい身体を目指すのが目標です。現在、「花粉症」の治療は、薬によって症状を抑える方法が基本です。「花粉症」かなぁと思ったら、早めにクリニックを受診して、治療を受けるようにしてください。

廣田 美千代
女性サイトの編集長を経て、フリーランスに。 雑誌やWEB媒体を中心に、美容記事やインタビュー記事を随筆。WEBプロデューサーとしての経験を活かし、 コンテンツの企画・制作や、化粧品会社のWEBコンサルティングなどにも携わる。

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