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江戸時代の流行りもの。ビワの葉を煎じた漢方ブレンド「枇杷葉湯」

三千年もの歴史がある民間療法“びわの葉療法”とは?

2019.10.1

江戸中期から明治末頃まで、ビワの葉を煎じ漢方香料とブレンドした「枇杷葉湯 びわようとう」と言われる飲み物が良く知られていました。真夏になると、江戸・大阪・京都などでは、橋の上とか川沿いに枇杷葉湯売りが出て、夏の風物詩として庶民に親しまれていたそうです。単に渇きを癒すだけでなく、夏まけや暑気あたり、さらには食中毒や大腸カタルの予防にも役立つとされていました。

実際、びわの葉の薬効については、かなり昔から知られています。漢方の医学書には「肺をきれいにし、胃の痛みを和らげ、気を下ろして痰を出す」と記されていて、実際、咳については臨床的なデータもあるようです。ここで言う「気を下ろす」作用とは、咳や吐き気、喀血、痰、鼻血などの症状を鎮める働きだそうです。

漢方の「枇杷葉湯」には木香、桂枝など数種類の生薬を加えますが、家庭で試すにはビワの葉だけを使用すれば良く、むしろその方が飲みやすいものができます。

江戸時代後期の狂言作家、鶴屋南北の代表作「彩入御伽艸 いろえいりおとぎぞうし 」の舞台を描いたもので、「枇杷葉湯」の行商人の姿

ビワの葉茶の効果

夏まけ、暑気あたり、食中毒、大腸カタルなどの予防や、胃腸の弱い人、喘息、慢性気管支炎、皮膚病、慢性の下痢症、糖尿病などに飲まれている方も多くいらっしゃいます。濃くいれたビワの葉茶を飲み続けたところ血糖値が下がったという体験談も寄せられています。利尿作用があり、むくみがとれた、ダイエットに効果があったという声もよく聞かれます。

ビワの葉茶に水飴を溶かして飲むと、咳止め、痰切りの助けになると利用されています。
じっくりと濃く煮出した煎じ汁には殺菌力があり、切り傷、虫刺され、かぶれ、アトピー性皮膚炎、水虫にも使われてきています。頑固な水虫の場合には、毎日20分くらい漬けてみてください。

ビワの葉茶をつくるには

1.ビワの生葉15~20グラム(2~3)枚の表面に生えている毛をたわしなどでこすって取り除き、きれいに水洗いする。

2.風通しの良いところに干し、生乾きのうちに細かく刻む。それをもう一度干してカラカラになるまで乾燥させる。

3.水400mlに、乾燥した葉を加え、とろ火で水が3分の2から半分くらいになるまで煮詰める。

4.この煮汁を漉して、できあがり。

このようにして作った煮汁を2~3日に分けて、1日に2~3回飲みます。
1回に飲む量は10~20mlで良いでしょう。
症状のある人は全量を1日で飲んでも良いです。

ただし、上記の方法ではお茶というより煎じ薬という感じの味になると思います。お茶としておいしく飲むには焙煎という工程が必要で、これは家庭では難しいと思いますので、市販のびわ茶をお試しになったらいかがでしょうか。麦茶のような香りや風味はなく淡白ですが、上品な自然の甘味があり、いちど飲み始めたら続けて愛飲する人が多いようです。冷蔵庫で冷やしてもおいしくいただけますが、温かいものを飲んだ方が効果が高いとも言われています。

※「ビワ療法」についてもっと知りたい方は「ビワの葉療法」の総合情報サイトをご覧下さい。
(© ビワの葉温熱療法普及会)

びわの葉温熱療法普及会 理事 諌山正博 氏 監修

URL: http://biwa.no.coocan.jp/
帯津病院でも使用される温熱器の普及につとめる。また、施術される方の更なる “びわの葉療法”への理解を深めるために、全国をまわって講習会を行っている。

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