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世界から注目される「わさび」の魅力とは?世界でのわさびの食べ方から研究まで

2021.6.30

こちらの記事はLIFE IS LONG JOURNAL様より許可を得て転載しております。
https://life-is-long.com/article/2742

2013年にユネスコの無形文化遺産に登録された「和食」は、2015年にイタリアのミラノで開催された万博でさらに注目を浴びました。

<参照>

農林水産省:「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました!

自国の食に強い自負を持つイタリアでも、和食は一大ブームを巻き起こしています。和食のシンボルともいえる「SUSHI」は、もはや世界中で知らない人がいない料理といって良いでしょう。

寿司の人気と共に、「わさび」も注目されています。

わさびという植物は日本の固有種であり、初めて口にする海外の方にとってはかなり衝撃的のようです。しかし、この独特の味わいを自己流にアレンジするシェフも出てきました。また、近年の研究ではわさびが持つ抗ガン性が注目されています。

わさびは日本の山紫水明のシンボル

学名を「Eutrema japonicum」というわさびは、日本列島にのみ自生し日本で独占的に栽培化された植物です。和食の文化においても、わさびが果たす役割は無視できません。研究によれば、日本人は奈良時代から自生していたわさびを食していたとされています。清らかな空気と水の中で育つわさびは、日本の美しい自然を凝縮しているといっても過言ではありません。

<参照>

金印わさび

わさびの歴史

私たちがわさびときいて思い浮かべるペースト状のタイプは、江戸時代に誕生したといわれています。それまでは、ピリッとした食味を持つ葉や茎の部分が伝統的に食されてきました。

<参照>
『トウガラシ、ワサビに関する研究の現状』農林水産省農林水産技術会議事務局 谷口 郁也
http://www.tokusanshubyo.or.jp/tokusan20_05.pdf

世界各国でのわさびの食べ方

寿司が各国で市民権を得てスーパーマーケットでも気軽に買えるようになった昨今は、粉性のわさびもエスニック食材コーナーで見かけるようになりました。また、寿司を購入するときについてくる小分けのわさびを、どのように料理に使用するかというサイトも目にします。
アボカドを食べる時のサルサにわさびを使用するとか、肉料理のアクセントにするとか、はたまたバジルのリゾットに加えると思いのほかマッチする、などなど。
わさびの文化を持たない国におけるわさび活用法の試行錯誤は、われわれから見るとなかなか興味深いものがあります。

<参照>

BBC FOOD

Wasabi recipes

WEEKLY TIMES

How to incorporate wasabi into your cooking

ワインとのマリアージュが難しいわさび

ワインが日常の食生活に定着している南欧では、わさびとワインのマリアージュの難しさが話題になります。とくに、アペルティフに寿司が登場した場合に、食前に飲む発泡性のワインとわさびを合わせるのは難しい。というのが食通たちの一致した意見のようです。
そもそも、ワイン文化をの誇る地中海世界にも生の魚を食べる習慣は存在するため、刺身などの和食に合うワインは比較的簡単に見つかります。

刺身と並んで和食の代表である天ぷらも同様です。しかし、ワインと歴史や文化を共有しないわさびは、互いの風味を引き立たせるものを見つけるのが困難なのです。
ワイン好きのあいだでは、わさびに合うワインについては意見がわかれていて、ソーヴィニヨンブラン、ゲヴュルツトラミネール、モスカート・ビアンコなどのあまり主張のない白ワインの名がよくあがります。

<参照>

WINE POINT

Vino e sushi

わさびをめぐるさまざまな研究

わさびには抗菌作用があることは、日本人ならば知っているかたも多いのではないでしょうか。
学術的な分野でも、わさびが持つ特有性が注目されています。抗菌作用に関しての研究では、わさびの葉の抽出物がピロリ菌の対策として有効であることが報告されています。

ピロリ菌によって引き起こされる潰瘍等の症状には、一般的に胃酸の生成を低下させる薬剤が使用されます。現在はまだ動物実験の段階ですが、わさびに含まれるITCという成分は、ピロリ菌に対して抗菌の特性を有していることが明らかになっています。
また、こちらもまだ動物実験のレベルから出ていませんが、わさびの成分と炎症作用の関連性も指摘されてきました。

わさびのITCは、体内で炎症を促進する酵素を抑制できるため体内の炎症であるガンや心臓病といった疾病予防につながる可能性があるというわけです。
そして、特に注目されているのがわさびの抗ガン性についてです。ガンを誘発する物質アクリルアミドは、私たちが大好きなポテトチップスなどに含まれています。

アクリルアミドは、調理中に糖とたんぱく質の化学反応がおこるメイラード反応によって形成されます。研究では、わさびの根に含まれるITCによって調理中に形成されるアクリルアミドを90%阻害できることが報告されているのです。

<参照>

Phytother Res . 2018 Jul

5-Hydroxyferulic acid methyl ester isolated from wasabi leaves inhibits 3T3-L1 adipocyte differentiation

J Sci Food Agric . 2017 Jun

Inhibitory effects of Japanese horseradish (Wasabia japonica) on the formation and genotoxicity of a potent carcinogen, acrylamide

Nat Prod Commun . 2017 Apr

Improvement Effects of Wasabi (Wasabiajaponica) Leaves and Allyl Isothiocyanate on Stomach Lesions of Mongolian Gerbils Infected with Helicobacter pylori

int J Food Microbiol .2004 Aug 1

Bactericidal activity of wasabi (Wasabia japonica) against Helicobacter pylori

急成長するわさび市場

わさび市場の急成長が注目されています。2024年には世界で2億9,698万ドル(約300億円)の売り上げを予測されています。

また、名古屋に本社を構える1929年創業の加工わさびメーカー金印は、10年以上前から海外に支店を作りわさびの普及活動を推進しております。

今後ますます世界で注目される、わさび!新情報など入りましたら、Life is long journalで伝えていきたいと思います。

<参照>

researchandmarkets.com

世界のわさび市場:2020年から2024年の予測

JETRO

ワサビの普及に取り組む「金印わさびヨーロッパ」に聞く

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