ライフスタイル
秋に向けて全身の巡りを整える!
心と身体を整える暮らし<二十四節気と七十二候>
2020.9.1
私たちの暮らす日本は、春・夏・秋・冬と四季の移り変わりが鮮やかな国。先人たちは、四季の変化を敏感に感じとり、自然に寄り添って生きることで、身も心も健やかに暮らしてきました。“二十四節気”とは、一年を春・夏・秋・冬と分けた各季節を、さらに六つに分け、二十四の期間に名前をつけたもの。“七十二候”は、二十四節気の各節気を、三つの期間に分け、名前をつけたものです。それぞれの季節に合わせた体調管理や、心掛けたいこと、季節折々の行事や楽しみ方などを、“二十四節気”と“七十二候”に沿ってご紹介します。
朝露が宿り始め、秋の気配が深まる「草露白(くさのつゆしろし)」
二十四節気における「白露(はくろ)」とは、大気が冷え始め、草木に露が降りだす9月初旬から中旬ぐらいの頃。ようやく残暑も和らぎ、秋の気配が深まってきます。その初候が「草露白(くさのつゆしろし)」。夜中に大気が冷え、草に降りた朝露が白く輝いて見えます。朝夕の涼しさが際立ち、夏から秋への変わり目である9月上旬頃のこと。東洋医学では、秋は「気」を司る“肺”の動きが活発になると考えられています。肺を健康に保つためには、身体の巡りを良くすることが大切。肩周辺のコリをほぐし、正しい姿勢に整えるだけでも、肺が広がって呼吸も深くなります。体調を崩しやすい季節の変わり目ですので、全身の巡りをスムーズに整える意識を持つようにしてください。
乾燥肌のトラブルを改善するツボ
空気が乾き始めるこの時期は、肌の乾燥も気になる時期。東洋医学では、「気(き)」・「血(けつ)」・「水(すい)」の3つの要素が、身体をスムーズに巡ることで生命活動を維持していると考えられています。乾燥肌の原因は、この3つのバランスが崩れた「血虚(けっきょ)」によるもの。「血虚(けっきょ)」とは、身体を潤す「水」と、栄養素である「血」が不足した状態のこと。乾燥肌の改善には、「水」や「血」の巡りを整えてくれる「太白(たいはく)」のツボがオススメです。太白のツボの位置は、足の親指の付け根にある骨の出っ張りを超えた辺りのくぼみです。息を吐きながら、親指で3~5秒ぐらい、心地良いと感じる程度の強さで押し、息を吸いながら、ゆっくり戻します。繰り返し何回か行うと効果的です。
先祖や自然に感謝をささげる「秋分の日」
秋のお彼岸の中日にあたる「秋分の日」。秋分の3日前を「彼岸の入り」、3日後を「彼岸の明け」と言い、この7日間を「彼岸」と言います。秋分は、春分と同じく、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる日のこと。「寒さ暑さも彼岸まで」という言葉があるように、「秋分の日」を境に、徐々に秋らしくなっていきます。お彼岸は、もともとは仏教の言葉で、先祖供養の日とされていますが、古来日本では、豊作を祝い、神様に感謝を捧げる儀式が、秋分や春分の頃に行われていたそうです。ところで、お彼岸にお供えする「牡丹餅(ぼたもち)」や「御萩(おはぎ)」の違いをご存じでしょうか? 春の彼岸には、春に咲く牡丹の花にちなんで「牡丹餅」、秋の彼岸には、萩の花にちなんで「御萩」をお供えします。基本的には同じものですが、粒あん、こしあん、形の大きさなど、作り方に多少の違いがあります。ただ、地域によっては、きな粉をまぶしたものを「御萩」と呼んだり、米粒をつぶしきったものを「牡丹餅」、米粒が残ったものを「御萩」と呼ぶところもあるそうです。