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1日1分、うつぶせになるだけ!寝たきり対策だけじゃない。疲れがとれて、眠りに落ちる?!

2019.10.3

うつぶせになるだけ! ができない?

長年、理学療法士としてリハビリの現場に立ってきた私は、どうしたら寝たきりにならずに、健康寿命を延ばせるかをずっと考えてきました。そして、たどり着いた答えが、うつぶせになることでした。

「ただ、うつぶせになるだけ? 本当にそれだけ? 」そう驚かれる方も多いでしょう。ですが、あらゆる身体の不調を改善するのに、これほど良いものはないと、私は確信しています。うつぶせ姿勢は、理学療法士の世界では腹臥位(ふくがい)療法と呼ばれ、すでに長年実績のある確立された療法です。ところが施術の際に、「うつぶせになれますか?」と聞くと、「何年もうつぶせになっていないな」と、口にする人がとても多いのです。「うつぶせくらいだったらできますよ」と答えた人でも、実際に身体を動かそうとすると、「あれ、できません!」と驚かれる方が、たくさんいらっしゃいます。

現実には、うつぶせになることができなくても、日常生活を送ることはできます。うつぶせ姿勢になることだけが重要なのではなく、うつぶせになるために自分で身体を傾けたり、うつぶせの状態から起き上がるという一連の動作が、実は、普通に歩いたり、座ったりするよりも、多くのさまざまな筋力を使うのです。赤ちゃんの発達から考えても、人間は本来、うつぶせや四つ這いができないと、身体の筋肉のバランスが取れないのは明らかです。私は、寝たきり予防の観点から見ても、転倒防止につながる下半身の筋力強化だけでなく、呼吸機能の改善や猫背予防の取り組みも大切だと考えます。

眠れない・・・1分間のうつぶせで、眠りに落ちる

うつぶせは、睡眠導入にも効果が期待できます。

眠りやすくする秘訣として、古くから「頭寒足熱」という言葉があります。
うつぶせになると、普段忙しく稼働している頭が休まり、太ももの付け根にある鼠径部(そけいぶ)の詰まりが取れて、足先まで血流がよくなることで、頭寒足熱に近づくのです。

また、もう一つの理由として、うつぶせになると頭蓋骨の真後ろにある後頭骨(こうとうこつ)が開放され、動きやすくなります。すると、脳や脊髄神経へ、栄養や老廃物を流してくれる脳脊髄液の循環がよくなるので、脳圧が減少し、副交感神経が優位になることで、眠りやすくなる可能性が考えられます。

とはいえ、首や肩を痛める可能性があるため、うつぶせのまま長時間眠ってしまうことは、おすすめできません。また、長時間のうつぶせは、身体の様子を見ながら行い、決して無理をせず、身体に痛みや苦しさを感じた場合は、すぐに中止してください。ひとまず1~3分間程度うつぶせになってから、普段寝ている姿勢に戻って睡眠に入りましょう。

うつ伏せになると疲れがとれるのはなぜ?全身がゆるみ、筋肉の緊張が取れる

うつぶせになると股関節が伸びるので、全身の血流がよくなります。
血流がよくなると眠りの質も上がりますし、深い呼吸をすることで体内に酸素がたくさん入り、同時に老廃物の排出もより進みます。身体に入れるほうばかりについ意識が向きがちですが、老廃物をしっかり出してデトックスすることが、疲れを取るには非常に大切です。うつぶせになることで、傾いた骨盤がまっすぐになり、骨盤や腰まわりの緊張がゆるみます。すると、全身がゆるみ、余分な筋肉の緊張をリセットできるため、疲れがすっきり取れます。

「これはうつぶせの姿勢と、自律神経の調節とが関連する可能性が考えられます。現代は、自律神経失調症の人が多いのですが、うつぶせになることで副交感神経が優位になる方向に向かうと、さまざまな緊張が取れてきます。結果的に「疲れが取れた」という実感につながるのだと考えられます」
――監修者の岡田真理子先生(医学博士。総合内科専門医)コメント

「そう言われてみれば、自分はうつぶせになれるだろうか?」と思ったら、今日からぜひ取り組んでいただきたいと思います。1日1分からのうつぶせを習慣とすることで、眠りの他にもたくさんのメリットがあります。日々の健康から、寝たきりにならない健康長寿の実現まで、いきいきとした毎日を送っていただけたら、これほど嬉しいことはありません。

<著書>
「うつぶせ1分で健康になる コリ、痛み、歪みが消えて体がラクになる。」
乾 亮介 著/岡田欣之 監修/岡田真理子 監修
ダイヤモンド社 出版

<内容紹介>
1日1分、うつぶせになるだけ! 2000人のリハビリを担当してきた理学療法士が教える、ストレッチよりも簡単な不調の改善・予防法。猫背・腰痛・肩コリ・首の痛み・不眠・誤嚥…痛みや不調が消え、加齢とともに弱っていた体も死ぬまで健康で自分で歩ける体に復活します。ズボラな人でも簡単だから続けられます。
URL: https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4478107106/booksonlinea-22/

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うつぶせになれますか? 100歳まで自分で歩ける体にするために今からはじめてほしいこと
https://diamond.jp/articles/-/207273

乾 亮介 氏
理学療法士 ピラティスインストラクター 

関西医療学園専門学校理学療法学科卒業。理学療法士資格を取得後、医療法人宝生会PL病院リハビリテーション科に勤務し、16年間でリハビリに関わった患者は2000人を超える。整形外科疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患、心疾患などあらゆる患者のリハビリに携わる。同時に訪問リハビリや学会発表、論文執筆、講演や理学療法士養成校の非常勤講師など精力的に活動し、2012年には畿央大学大学院健康科学研究科にて修士号(健康科学)を取得。ピラティスインストラクター資格を取得後、2017年4月に独立して予防医学サロン&ピラティススタジオ「リハティスプラス」を開き、地域の予防事業や全国各地で研修会やセミナーの講師を務める。


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