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自然栽培って超レア?!環境も私たちも豊かになる秘密がここにあります。
人を良くする「食」の実現
2019.10.9
自然栽培って超レア??
日本国内で自然栽培の野菜の流通量は、0.03%以下と言われているのをご存じですか?
例えば、「自然栽培の野菜はないかしら?」と、1万件探しても3件しか見つからないというイメージになります。
実際は、もっと少ないのではないかと思います。
また、自然栽培のお米は、なんと、0.0002%と言われています。
そう聞くと、ものすごくレアだと、すぐに分かっていただけると思います。
なんでこんなに少ないのでしょうか?
簡単にいうと、農薬も肥料も使わず、本来の育ち方をした野菜は、採れる量が少ない(収量が少ない)=面積当たりの売り上げが低い=手をかけた割に儲からないためです。
本来の野菜の美味しさを味わえ、そして、ミネラルも栄養素も豊富で健康に良い、そんな野菜だからこそ、もっと増やしたい。
そのために僕ら自然栽培農家は、何とか収量あげるために技術を磨いています。
そして、それが消費者にたくさん食べていただくことで、さらに量を増やしていけるのです。
自然栽培ってなに?
「有機栽培と自然栽培の違いが分かりにくい」、「他と何が違うの?」、「肥料は使わなくても育つの?」という声を、よく聞きます。
実際、農家じゃないと分かりにくいですよね。
いわゆる大半の農家さんの栽培方法は、「慣行」栽培と言われる方法です。
化学肥料や有機肥料を使い、防虫・防除や除草のために農薬などを使用するやり方です。
有機栽培の肥料は、家畜糞や動物性の肥料、農薬は、植物由来もしくは有機JAS認定の農薬を使用した栽培方法です。
動物性廃棄物(糞尿)には、畜産農家が家畜に与える抗生物質やホルモン剤、遺伝子組み換え作物の未分解物が、含まれている可能性があります。
また、未分解の糞尿にはチッソが多く含まれ、野菜が過剰に大きくなり、病虫害を増やす原因にもなります。
そして自然栽培は、農薬も肥料も使用せずに土の環境を整え、微生物のチカラを借りて野菜を育てる方法。
肥料を使用せず(雑草や落ち葉、もみ殻などは使用することも)、もちろん農薬も一切使用しない方法です。
野菜の養分供給を微生物の分解作用を利用して、自然循環型で実現する考えです。
持続可能で、限りなくノンケミカルな野菜作りを行います。
“美味しい”から自然栽培
なぜ自然栽培の野菜が美味しいか?
そもそも美味しいって、人によってそれぞれ違うし、明確に「これが!」っていうのはないですよね。
野菜作りにおいて、「美味しさ」の数値でよく話になるのは、硝酸態チッソとアミノ酸のバランスです。
また、化成肥料や有機肥料の使用で意識されるのは「チッソ」です。
「チッソ」は葉をつくったり、組織をつくったり、細胞をつくるのに必要です。
早く・大きく育てるのに大切です。
とても簡単にいえば、美味しいと言われる自然栽培の野菜は、肥料を使用しないためチッソの含有量が少ないので、エグミと雑味が少なく、野菜本来の味を楽しむことできます。
もちろん! 肥料も農薬も使用しないだけで美味しくなるかといえば、そうではありません。
植物が育つにはマグネシウムやカリウム、鉄分など様々な養分が必要です。
そこで微生物の話になっていくのですが、これはまたの機会に!
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どんな栽培方法でも原理は一緒なので、
本質的に栽培できれば慣行栽培でも有機栽培でも「美味しく」できると思います。
栽培方法は何であれ、美味しく健康的な野菜作りを行うことが、
食べる人のハッピーにつながると思います。
僕らは自然栽培というやり方で美味しい野菜作りを選択したということなので、
色んなやり方の生産者と想いは一緒です。
もっと難しい話はたくさんあるのですが、
僕らの野菜を「美味しい!」と良く言って頂けるので
少しお話してみました。
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http://bioagri.jp/
神奈川県横浜市生まれ。実家が八百屋の孫として生まれ、幼少期から病弱で入退院を繰り返す。そんな原体験から健康意識が高く、行き着いた先が『食』づくりだった。3年間の社会人経験を経て2015年に淡路島に移住し未経験ながら自然栽培という農法で野菜作りを開始した。現在は淡路島内の複数の農家とグループとなり自然栽培野菜の生産と販売を行なっている。全て無肥料・無農薬で育てた野菜のみでありメイン作物は固定種・伝統種・自家採種のタネ。人を良くする『食』の実現を目指し、良いものが当たり前に流通する社会のインフラを目指す。