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免疫力を高めるアーユルヴェーダ食事術の肝

2020.1.31

2500年以上前のアーユルヴェーダ文献には、≪食事はいかなる時にも重要で、適切な食事をしていなければ、薬や治療が無駄になる。適切な食事は、薬や治療を必要としなくなる≫と記されています。これは一体、何を意味するのでしょうか? 

自分をバランスする食べ物を選ぶ

アーユルヴェーダでは、食べ物の持つ性質はその人の生理機能に影響を持つと考えます。個人の体質にあわせた偏りのないバランスの良い食事をすることで、生理機能がバランスよく正常に働き、身体組織を十分に滋養し、身体だけではなく心の免疫力も高めるとしています。

以下は、身体や心の状態をバランスする食べ物としてアーユルヴェーダで推奨されるものです。

〇乾燥しやすく冷えやすい人、不安感の強い人には、食べると身体が温まり、適度な油分を含むもの、甘味、酸味、塩味の物を。

〇身体に熱がこもりやすく、炎症を起こしやすい人やイライラしやすい人には、食べると身体のスーッと冷え刺激的ではないもの、甘味、苦味、渋味の物を。

〇むくみやすく代謝が悪い人や、どんより気分が落ち込みやすい人には食べると身体が熱くなり汗がでてくるようなもの、お腹に軽いもの、辛味、苦味、渋味の物を。

実際のところ、本来人間は自分をバランスするために必要なものを「欲する」機能を持っています。

食べ方の作法を取り入れる

どんなに質が良く、栄養価の高い食事であっても、消化吸収が適切に行われなければ、食事の本質的な意味は失われてしまいます。食事をする際に、考慮しなければならないこととして、個人の消化能力と消化や代謝のサイクルがあります。消化能力やサイクルに合わせて、かつ活性化するために、アーユルヴェーダは食べ方のルール(作法)を定めています。

①食事は、空腹時にすること

②食べ過ぎも、食べなさ過ぎも避ける。(胃に少々の余裕を持たせる)

③ながら食いをせず、食事を味わって美味しく食べる

④心地よくリラックスした環境と、正しい姿勢で食べる

⑤食事中および前後に、水を大量に飲まない

これらのルールは、いずれも人間の消化機能を乱さない上で、必須のものと考えます。

免疫力を最大限に発揮する、食事とは!?

このようにして、食事から十分な栄養とエネルギーを得られることで、身体の構造と機能は維持され、誰もが本来持っている、自然治癒力や免疫力が維持・活性されてゆきます。今の自分に、どんな食事が必要か迷ったら、まずは、食事の作法や習慣を見直してみてください。そうすると、身体からの声が不思議と聞こえてくるようになり、必要な食べ物が理解できるようになるはずです。

田島 恭子氏 
インド政府機関認定パンチャカルマセラピスト
アーユルライフコーチ
https://www.ayurveda-taj.com

北里大学看護学部看護学科3年で中退後、渡米。 モデル、クラブDJ、約15年に渡り音楽業界。絶好調だった時に突然襲われた、鬱、パニック、胃潰瘍。アーユルヴェーダと運命的に出会い、古代から伝わるホリステックな自然医学に壮大な愛を見出す。2007年、インド政府機関BSS認定パンチャカルマセラピストディプロマを最高成績Distinctionにて取得。アーユルヴェーダセラピー施術数は延べ約1,200名。
2009年にトラディショナルアーユルヴェーダジャパン設立、各種講座受講者数は延べ1,500名を超える。
2013年、「女性機能を高めるアーユルヴェーダ式家庭料理」を発刊。
1年に1〜2回は自ら渡印(10回以上の渡印歴)幅広くアーユルヴェーダの学びを継続し続けている。現代ならではの問題解決に貢献する新時代のアーユルヴェーダを提唱、人材育成に力を入れている。

原稿執筆、記事監修履歴:
Yoga Journal、Yogini、Figaro Japon、In red、Fadge、翼の王国ほか
企業内研修、商品開発アドバイス、外部セミナー:多数

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