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成分を知りお茶でもっと健康に!〈睡眠GABAティ情報も〉

鹿児島の茶畑より。「緑茶品種 ゆたかみどり」

2019.12.20

基本的にすべて同じ茶葉

日ごろ皆さんが飲んでいる緑茶、紅茶、烏龍茶、は基本的には同じ茶葉から作られます。日本国内には緑茶の品種が多いため国産の紅茶、烏龍茶は緑茶品種で作られているものが多くなっています。しかし、それぞれの味を追及するとお茶の品種、栽培法にこだわって作らないと美味しくなりません。お茶の機能性を上手に生かすのも同じで普段、何気なく飲むお茶もこだわりの意味を知ると、より健康に意識して飲めるでしょう。

肥料成分のチッソの施肥量は緑茶の旨み成分の量とある程度、比例します。逆に紅茶は旨み成分がない方が、香りが増す為、紅茶の場合は施肥量ゼロがいいようです。

お茶の成分も加工過程で、それぞれ独自に変化します。お茶の成分の抽出方法は、熱湯が主ですが効率でいえばアルコール→熱湯→常温水→冷水となります。玉露など旨みの多いお茶を、熱湯で抽出するとカテキン、カフェインの渋味に邪魔されて玉露本来の旨みが味わえません。また緑茶、紅茶、烏龍茶は10度程度の冷水だとカテキン、カフェインは抽出されません。温度で抽出成分を調整すれば、飲む人の生活スタイルに合わせて美味しく飲むことができます。

緑茶の成分

「かぶせ栽培」
お茶の栽培方法で「かぶせ」という技法があります。黒い寒冷紗で新芽を覆い栽培すると、新芽は日光を妨げられ成長が鈍くなります。鈍くなりますが、根からの養分は絶え間なく吸い上げています。その養分が新芽中に爆発的に増加します。増加した茶葉を蒸して製造すると旨みの多いお茶ができます。

遮光率をあげて、覆う期間を長くすると玉露になります。同じような栽培方法で抹茶にもなります。旨み成分は、グルタミン酸やテアニンなどのアミノ酸です。熱湯ではなく冷水で抽出すると、カフェインが抑えられ、就寝一時間前に飲むと落ち着き安眠できます。

かぶせない栽培方法を露地栽培といいます。日光を浴びてどんどん成長する茶葉は硬化し、アミノ酸は減少しますが、カテキンとカフェインは増加します。カテキンには複数の種類があり、中でもエピガロカテキンガレートは、動脈硬化に役だち血流をよくします。他に「べにふうき」という品種に多く含むメチル化カテキンは花粉症の症状緩和に役立ちます。いずれも熱湯で完全に茶葉が開いてから飲むと効果的ですが、同時にカフェインも多く出ますので寝る前は要注意です。

アルコール、油分ではもっと抽出効率があがります。露地栽培のお茶の粉末とバター、マヨネーズを混ぜて
パンやサラダに使うとコレステロールの吸収を妨げます。焼酎割にすると見た目もきれいなグリーンで飲みやすくなり、カテキンがアルコールの分解を促進するので二日酔い防止になります。

イベントで見かけるお茶の詰め放題は、空気、湿気、移り香、光、異物混入などでお茶の健康成分を著しく劣化させてしまいます。しっかりパッケージされたお茶が安心です。

紅茶の成分

紅茶の製造は、2日かけて製造します。1日目に茶葉を寝かせ10時間程、自然乾燥させます。このとき茶葉中でタンニン、カテキンなどが紅茶独特の成分に変化します。この後、茶葉中の細胞を壊すように揉みこみます。するとリンゴを切った断面が茶色に変色するように、茶葉も茶色に変色します。これが酸化発酵です。この時も様々な化学変化がおきています。発酵という言葉から菌による発酵をイメージされますが、空気に触れて起きる酸化で茶色になります。菌を使って発酵させるのはプ-アル茶になります。

自然乾燥「萎凋」(いちょう)

紅茶品種の「べにふうき」は緑茶で製造するとメチル化カテキンが存在しますが、紅茶に製造すると酸化発酵の時点で消滅します。紅茶の茶色の成分の「テアフラビン」は緑茶にはない成分で、インフルエンザウィルスの働きを無力化させるなど強力な殺菌作用があります。紅茶が苦手な方も5倍希釈でも有効ですので試して下さい。ただミルクティーにすると効果が落ちます。

「かぶせ茶」に多く含まれるグルタミン酸は、茶葉に呼吸をさせない嫌気状態にするとGABA(γアミノ酪酸)に変化します。GABAはチョコレートや発芽玄米などで有名で血圧降下、安眠効果などがあります。
安眠効果があるGABAを熱湯で抽出するとカフェインが出てくるので、冷水抽出が効率よくGABAを摂取できます。お茶のGABAは無添加の自然の成分で、茶品種、製造時期、問わず同じ品質で通年提供できる健康茶として可能性を感じています。

「嫌気状態」

最後に
以上のことはお茶の販売店では、あまり知ることができない情報です。
何百年の飲まれてきたお茶です。何百年も手軽に飲まれてきただけに情報も曖昧で漠然としか伝わってきませんでした。健康を信じて、商品を信じて飲まれるお客様に心より安心していただくために、生産する全ての
お茶には、生産履歴書が作成されてあります。お茶は食品事故の起こりにくい素材です。だからこそ嘘のないお茶作りに今後も邁進いたします。

東垂水 良世 氏(ヒガシタルミズ ヨシツグ)
株式会社 知覧心茶堂 代表取締役
https://www.shinsado.com/

1997年 脱サラで新規就農(農事組合法人東垂水茶生産組合)
2008年 ㈱知覧心茶堂 設立
2012年 全国の百貨店などで年間250日以上の出張販売
2014年 6次産業化事業で紅茶工場を設立
2018年 無農薬紅茶でGGAP認証を取得

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