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毎日の食事で健康を目指す「養生食」とは!?
2025.5.9
食養生における「五味」とは
春から初夏への季節の変わり目。何となく体調が優れない、疲れが溜まりやすいという方、多いのではないでしょうか? 症状に心当たりがある方は、ぜひ、毎日の食事を「養生食(ようじょうしょく)」にするように意識してください。
「養生食」とは、中国古来の伝統医学に基づいて、身体の不調を整え、健康を維持し、病気を予防するための食事法。「養生食」の基本的な考え方は、食材が持つ五つの味「五味(ごみ)」や、食材の性質「五性(ごせい)」を意識した食事のこと。「五味」とは、「酸(さん)、苦(く)、甘(かん)、辛(しん)、鹹(かん)」の、下記の五つの味を指します。
① 「酸」は、酸味のこと。レモンや梅干し、あんずやざくろなどの食材で、汗や痰を鎮めたり、下痢の改善や身体を引き締める作用があります。
② 「苦」は、苦味。にがうり、ピーマン、ゴーヤ、ウコンなどが代表的で、解熱解毒作用や利尿作用、炎症を抑える作用、便秘改善の効果も期待できます。
③ 「甘」は、甘味。バナナ、ナツメ、蜂蜜などが挙げられ、滋養強壮に効果があり、疲労回復やスタミナアップに役立ちます。
④「辛」は、辛味。山椒や唐辛子、胡椒やワサビ、ネギやニンニクなどで、血流促進の効果があり、冷え性や肩コリ、風邪の予防&改善に働きかけてくれます。
⑤「鹹」は、鹹味(かんみ)と言い、塩辛い味覚のこと。醤油や味噌、塩、あさり、しじみなどが知られ、水分代謝を高める効果や、便秘改善効果が期待できます。

食材の持つ「五性」とは、何?
「五性(ごせい)」とは、身体を温めたり冷やしたり、食材の持つ性質のことで、下記の「熱(ねつ)、温(おん)、平(へい)、涼(りょう)、寒(かん)」の5つに分けられます。
① 「熱」は、熱性のこと。身体を強く温める効果がある、鶏肉や羊肉、唐辛子など。
② 「温」は、温性のこと。身体を温める効果がある、生姜、玉ねぎ、カボチャなど。
③ 「平」は、平性(へいせい)と言い、寒熱に偏らない物。卵、米、大豆、レンコンなど。
④ 「涼」は、涼性のこと。身体を冷やす作用がある、大根、レタス、セロリなど。
⑤ 「寒」は、寒性のこと。身体を強く冷やす作用がある、トマト、キュウリ、茄子など。
「五性」に配慮した食材選びは、一見難しそうに思われがちですが、私たちは、暑い時には、さっぱりとした冷たい物が食べたくなり、寒い時には、暖かい物や辛い物を自然と欲します。このように、私たちは日常生活の中で、身体の状況や環境に合わせて、何気なく「五性」を取り入れているのです。

養生食を取り入れる際のポイント
毎日の食事に「養生食」を取り入れるには、「五味」と「五性」を意識しながら、下記の4つのポイントを意識することが大切です。
1:バランスの良い食事
主食、主菜、副菜をバランスよく食べること。特に、野菜や果物を多く摂り入れることで、ビタミンやミネラルを効率よく摂取できます。また、旬の食材を選ぶことで、栄養価が高まり、味わいも豊かになります。
2:規則正しい時間に食べる
1日3食、規則正しい時間に、食事をすることが大切です。体内リズムが安定し、消化機能も高まります。
3:腹八分目にすること
過ぎたるは及ばざるがごとし。どんなに良い食材でも、食べ過ぎは胃腸に負担がかかります。腹八分目を意識することが大切です。
4:冷たい物や甘い物、脂っこい物は控える
甘い物、冷たい物、脂っこい物は、身体に“湿”が生じやすい食材です。“湿”が溜まると、さまざまな体調不良を起こしやすくなるので、なるべく量を控えましょう。
健康な身体は、一日にして成らず!「養生食」を意識した食生活に改善することで、明るく健康的な毎日を目指しましょう。
【参考URL】
<相模原協同病院>
https://www.sagamiharahp.com/data/media/sagamihara_hp/page/departments/nutrition_room/nutrition_room_4/1568076691040250.pdf
<クラシエ クラシエ株式会社>
https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/yakuzen/
<健やかに 株式会社山田養蜂所>
https://www.bee-lab.jp/health/201504/index.html
<おふろの時間 株式会社ノーリツ>
https://ofuro-time.noritz.co.jp/kyofuro/column/gosei/index.html
