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年末年始の暴飲暴食、“胸やけ”にご用心
2025.12.19
「胸やけ」とは
今年も残すところ、あと数日となりました。クリスマス会や忘年会など、人と会う機会が増え、ついつい暴飲暴食をしてしまうという方も多いはず…。食後に、胸のあたりがヒリヒリしたり、重苦しさや、詰まり、吐き気を感じることはありませんか? その症状、もしかすると「胸やけ」かもしれません。
「胸やけ」とは、みぞおちの上の辺りがジリジリ、ヒリヒリと焼けるような感じ、しみる感じなど、胸部に不快感や痛みがある症状のこと。胃に不快感がある「胃もたれ」の症状とは異なります。
本来、食道と胃をつなぐ部分「噴門(ふんもん)」の筋肉「下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)は、食べたり飲んだりする時以外は閉じていて、胃液が食道に逆流することを防いでいます。しかし、何かしらの原因によって、「下部食道括約筋」の締まりが悪くなると、胃液が食道に逆流しやすくなります。
胃の粘膜は、胃酸による刺激を受けないように、粘液によって保護されていますが、食道の粘膜には、胃の粘膜のような機能が弱いため、逆流した胃酸に刺激されて、「胸やけ」の症状を起こしてしまうのです。

暴飲暴食や脂っこい食事に要注意!
「胸やけ」を起こさないようにするには、毎日の生活スタイルに注意が必要です。例えば、高脂肪や消化しにくい物を食べ過ぎてしまうと、胃酸が大量に分泌されます。同時に、「下部食道括約筋」が緩んで、大量の胃酸が食道に逆流し、「胸やけ」を起こしやすくなります。
また、私たちの身体は、高齢になるにつれて全身の筋肉が衰えるように、「下部食道括約筋」も低下し、閉まりが悪くなってしまいます。そのため、食道に胃酸が逆流することが増え、「胸やけ」の症状が多発してしまいます。
その他にも、ストレスが多いと、自律神経が乱れて、胃酸の分泌が過剰になったり、粘液の分泌が減少したり、胃のトラブルが起こりやすくなります。過剰に分泌された胃酸が食道に逆流することで、「胸やけ」の症状が現れるケースもあります。

胸やけを予防する方法
「胸やけ」を予防するには、胃酸の分泌を正常な状態に保つことが大切です。まずは、胃に負担をかけない食事や、生活習慣の改善を心掛けましょう。胃に負担をかけない食事とは、脂肪分や刺激物が多い食事を避け、お粥やうどんのような消化の良い食事のこと。
アルコールやチョコレート、炭酸飲料やコーヒー、甘い物は、胃酸の逆流を起こしやすいと言われているので、摂り過ぎは要注意です。また、食事は一度にたくさん食べず、腹八分目を意識して、ゆっくりと食べることを意識しましょう。肥満になると腹圧で胃酸が逆流しやすくなるため、適正な体重を保つことも重要。
日頃から姿勢に注意を払うことも肝心です。腹部を締め付けるような服装や、胃を圧迫する前かがみの姿勢は、出来る限り避けるようにしましょう。また、食後すぐに横になるのはNG。食事の後、すぐに横になると、食道と胃の位置が水平になり胃酸が逆流しやすくなります。就寝時も頭側を少し上げて眠ると、胃酸の逆流を防ぎやすいと言われています。
年末に向けて、ますます忙しい時期になります。規則正しい生活を心掛け、暴飲暴食や喫煙は避けて、胃に優しい生活を心掛けるようにしましょう。胃の不調が続くようでしたら、早めに専門医を受診してください。
【参考URL】
<大正健康ナビ 大正製薬(株)>
https://www.taisho-kenko.com/disease/296/
<くすりと健康の情報局 第一三共ヘルスケア(株)>
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/52_muneyake/
<健康保険組合連合会 けんぽれん>
https://www.kenporen.com/health-column/dr_ishikawa/vol_21/
<りつの内視鏡クリニック>
https://ritsuno-endoscopy.com/heartburn/







