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日本人に多いと言われる「高血圧」。「高血圧」とは、安静にしている状態での血圧が、慢性的に正常値よりも高い状態のことをいいます。そもそも、「血圧」とは、血液が動脈を流れる際に血管の内側にかかる圧力のこと。「血圧」は、一日の中でも変動しており、朝の起床時に大きく上がり、昼食時頃にピークを迎え、夕方以降少しずつ低下し、睡眠時は最も低く安定するのが一般的です。

その他にも、運動、食事、飲酒、入浴、トイレなどの日常的な行動や、寒さを感じることによっても「血圧」は上昇しますが、こうした一時的な血圧上昇は「高血圧」とはいいません。

「高血圧」の状態を放置してしまうと、動脈硬化を促進し、脳卒中や心疾患、慢性腎臓病などの重大な病気に繋がる恐れがあります。

「高血圧」が怖いのは、自覚症状がほとんどないことです。血圧がかなり高い時に、頭痛やめまい、肩こりなどが起きやすくなりますが、血圧が原因とは気が付かず放置してしまう人がほとんど…。「高血圧」が「サイレントキラー」と呼ばれる理由です。

「高血圧」の予防＆改善には、生活習慣の見直しが必須。例えば、食習慣においては、塩分の摂りすぎ、濃い味付け、バランスの偏った食事、不規則な食事時間などに心当たりがある方は要注意です。また、運動不足、睡眠不足、喫煙、禁酒、ストレスなども、「高血圧」を引き起こしやすくなります。

適度な運動は、高血圧の改善に効果があると言われています。ウォーキングやプールでの水中運動（アクアサイズ）、サイクリングなどの有酸素運動がおすすめです。1日30分程度、軽く汗ばむぐらいの運動量が理想。ハードすぎる運動は逆効果になってしまうので注意してください。また、高血圧の治療を受けている方は、運動をされる前に必ず医師に相談するようにしてください。

これから冬になっていくにつれ、寒さの影響で血圧の変動が大きくなってきます。特に、気を付けたいのが、起床時と入浴時。起床した際に、部屋が寒いと血圧が急激に上昇してしまう恐れがあります。エアコンのタイマー設定などで室内を暖めてから、布団を出るようにしましょう。

入浴の際も、脱衣所や浴室の寒さによる血圧上昇が考えられます。脱衣所に、小型の暖房器具を置いたり、入浴する前にシャワーで浴室を温めるなど、寒暖差を少なくするように工夫してください。また、入浴することで血管が拡張し、血圧は低下します。入浴前後は、血圧の変動が大きくなりがちなので、特に注意が必要です。

毎日の食事で気を付けたいのが、塩分の摂りすぎです。日本人は、味噌、醤油、漬物や魚の干物など、塩分の多い調味料や料理が多くなってしまいがち…。日本高血圧学会が推奨している、１日当たりの塩分摂取量は「6g未満」。同時に、より少なくすることが理想ともしています。下記に減塩を成功させるコツをいくつかご紹介します。

【減塩を成功させるコツ】
①食事の際に、醤油やソース、塩などをかけない
②ラーメンやうどん、そばなど麺類の汁は残す
③低塩の調味料を活用する
④外食や加工商品は塩分が多いので控える
⑤昆布、シイタケなどの天然だしをしっかりとることで、醤油や塩を減らす

減塩を意識するだけでなく、塩分の排出を助ける成分である、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルを意識して摂り入れることも大切です。カリウムには、腎臓から余分な塩分を排出する働きがあり、マグネシウムはその働きをサポートします。

カリウムが多く含まれているのは、野菜やイモ類、果物、海藻、豆類など。ただし、カリウムは肝臓機能が低下している人が取りすぎてしまうと、症状を悪化させてしまうことがあるので、医師に相談するようにしてください。カリウムの働きを助けるマグネシウムは、海苔やワカメなどの海藻類、アーモンド、カシューナッツなどのナッツ類、玄米、干しエビ、ゴマなどに多く含まれます。

また、私たちの身体は、カルシウムが不足すると、心臓や血管を収縮させて血圧を上昇させてしまいます。日本人の食生活ではカルシウムが不足しがちなので、小魚類や牛乳などを意識して摂ることが大切です。寒さが本格的になるこれからの季節。血圧が高くなりやすいシーズンですので、毎日の食事や生活スタイルを見直して、高血圧の予防＆改善を意識してみてください。

＜参考資料＞
日本高血圧学会：https://www.jpnsh.jp/general_ind.html