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メンタルケア

何だか気分がすぐれない、これって五月病?

2021.5.10

五月病は、誰にでも起こりうる症状

新学期が始まり、職場や学校での新しい生活にも慣れ、精神的なストレスが現れやすいこの時期。五月病という言葉もあるように、ゴールデンウィークを過ぎた辺りから、何となくやる気が起きない、身体がだるい、気持ちがすぐれないというような症状が現れることがあります。今回は、誰にでも起こりうる五月病について理解を深め、五月病対策を行って、気持ちが不安定になりやすい、この時期を乗り切りましょう!

五月病って、どういう病気?

そもそも、五月病は、正式な医学用語ではありません。もともとは大学の新入生が、5月の連休を過ぎた頃から、無気力になる学生が増える現象に対し、言われたことが始まりとされています。五月病を医学的に言い換えると、うつ病やうつ状態、適応障害、不安症、身体症症状などの範疇になると思われます。

五月病は、主にストレスが原因で起こります。誰でも季節の変わり目や、環境の変化が起こるとストレスを感じますよね。新生活に慣れはじめ、緊張が緩む、ゴールデンウィークを過ぎた辺りから、「やる気が起きない」「気分が落ち込む」「起き上がれなくなる」「不安に襲われる」「食欲がなくなる、食欲が出すぎる」などの症状や、不眠、頭痛、胃腸の不調などの症状となって現れます。

ただ、五月病と呼ばれるこれらの症状は、一過性と言われており、しばらくすると自然に良くなるのがほとんどです。もし、2週間以上も症状が続くようでしたら、早めに医療機関や専門医に相談するようにしてください。

生活のリズムを整えて、五月病を未然に防ぐ

五月病対策として大切なのは、規則正しい生活を心掛けること。特に、起床と就寝の生活リズムを整えることが重要です。まずは、朝起きたら太陽の光を浴びて、体内時計をリセットするようにしましょう。一日の覚醒と睡眠のタイミングをつかさどっている体内時計は、起床直後の太陽の光を手掛かりにリセットして、一日をスタートさせます。朝、体内時計のリセットが上手に行われないと、その夜、眠くなる時間が遅れてしまい、生活のリズムが乱れてしまう原因に繋がります。

また、質の良い睡眠をとるための工夫も必要です。就寝直前まで、携帯やパソコン、テレビなどを見てしまうと、眠りにつきづらくなり、睡眠の質が低下してしまいます。また、眠る前の食事や入浴は、避けるようにしましょう。眠る直前に食事をしてしまうと、寝ている間も消化のために内臓が働いてしまい、睡眠が浅くなってしまいます。入浴についても、体温が下がりかけた時に布団に入ると、眠りにつきやすいと言われているので、就寝の1時間前までには済ませておくようにしましょう。

ストレスに負けない食生活を意識する!

起床と睡眠の生活リズムを整えるのと同様に、不規則な食生活や偏った食事を改善することも大切です。不規則な食生活や偏った食事は、脳内の栄養不足を招き、感情をコントロールする神経伝達物質である「セロトニン」が不足がちになると言われています。偏った食事にならないように、食事は主食、副菜、主菜を組み合わせるように意識して、バランスの良い食事を心掛けましょう。

また、ストレス改善に効果的な食材を取り入れるのもおすすめです。グレープフルーツやレモン、キャベツやトマトなどに豊富に含まれるビタミンCは、抗ストレスホルモンの合成に必須な栄養素のひとつ。疲労やストレスへの抵抗力となる「副腎皮質ホルモン」の合成をサポートする働きがあるため、積極的に取り入れるようにしましょう。

仕事や家事の合間に、“10秒呼吸法”でリラックス!

簡単にできるストレス対処法としては、“10秒呼吸法”がおすすすめです。腹式呼吸をゆっくりと行うことで、副交感神経が優位になり、リラックス効果が得られます。10秒呼吸法でリラックスした後、また仕事や作業に戻る場合は、頭を覚醒させる「終了覚醒動作」を行ってください。そのまま眠る場合は必要ありません。

【10秒呼吸法】
① 姿勢を整える
※椅子の背もたれに軽くもたれ、膝は鈍角にし、両手は足の上にのせ、首は軽くうなだれる
② 目を閉じられる人は、静かに目を閉じる
③ 全身の息を吐きだす
④ 1・2・3と鼻から息を吸う(3秒で息を吸う)
⑤ 4で止める(息を1秒止める)
⑥ 5・6・7・8・9・10で口から吐き出す(6秒で息を吐き出す)

【終了覚醒動作】
① 腕を前に突き出して、手を開いたり閉じたりする
② 腕を肘から曲げたり伸ばしたりする
③ 両手を組んで、思いきり背伸びを2~3回する

誰かに話すことが、ストレス解消につながることも!

五月病と呼ばれる症状において、誰かと話をするということも改善につながることが多いと思います。例えば、入社してみたら、思い描いていた仕事と違った場合、期待感が大きすぎて、理想と現実のギャップが埋められず悩んでしまうことも…。一人で悩んでしまうと、眠れなくなったり、食欲がなくなるなど、そういう時こそ生活のリズムが乱れやすくなって体調を崩してしまいます。

また、疲れている時は、考えが過度に否定的になってしまいがちです。「自分は何も出来ていない」「周りの人は、自分がダメだと思っている」など、偏った捉え方をして落ち込んでしまうこともあります。そういう意味でも、悩みは独りで抱えず、周囲の人と話をして、必ずしもそうではないというフィードバックを得たり、違う見方もあることに気づくことが大切です。

その他にも、好きな音楽を楽しむ、アロマの香りやハーブティーで気持ちを落ち着かせるなど、自分なりのストレス解消方法を見つけておくことも、五月病対策に効果的です。

参考文献:
全国健康保険協会 「未然に防ぐ5月病対策」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat510/h26/260401/

廣田 美千代
女性サイトの編集長を経て、フリーランスに。 雑誌やWEB媒体を中心に、美容記事やインタビュー記事を随筆。WEBプロデューサーとしての経験を活かし、 コンテンツの企画・制作や、化粧品会社のWEBコンサルティングなどにも携わる。

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