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食欲不振&胃腸の不調は、未病の現れ!
2022.5.10
食欲不振の原因とは…
新年度を迎え、新しい環境での生活に慣れ始めたこの時期。「五月病」などと言われるように、張りつめていた緊張の糸が途切れ、体調を崩しやすい時でもあります。「食事を前にしても箸がすすまない」「食事をしたいという気持ちにならない」「お腹が空かない」など、食欲不振を起こす方が多くいます。病気以外の日常生活において、食欲不振につながりやすいと考えられる原因には、下記などが考えられます。
・ストレス
私たちはストレスを受け続けると、自律神経のバランスが崩れて、交感神経が過剰に刺激され続けます。消化吸収を促す作用がある副交感神経の働きが抑えられてしまうため、食欲が起こりにくくなります。
・不規則な生活
不定期な食事時間、運動不足、睡眠不足など、不規則な生活習慣も自律神経のバランスを乱し、食欲不振の原因に。
・便秘
何日も便秘が続くと、腸全体の働きが悪くなるため食欲不振が起こることがあります。
・飲酒
アルコールの飲みすぎは、肝臓に負担をかけるだけでなく、胃や膵臓の機能も低下させてしまいます。お酒を飲みすぎた翌日、吐き気や食欲不振などが起きる「二日酔い」の症状などが代表的な例です。
・加齢
加齢により、胃や腸など消化に関わる内臓の働きが低下することによって、胃もたれや便秘などが生じ、食欲が減退することがあります。また、運動量が低下することで、消費エネルギーが少なくなり、お腹が空きにくくなることもあります。
胃腸の不調と自律神経の乱れ
食欲は、体力を現わすバロメーターと言っても過言ではありません。食べ物の消化&吸収には多くのエネルギーを必要とするため、胃腸に元気がないと食欲も低下してしまいます。
そんな胃腸は、心を映す鏡と言われるほど精神的な影響を受けやすい部分。暑さや寒さなどの気候、不安や悩みなどのメンタル、寝不足や疲労などにより、お腹の調子を崩したり、食欲が落ちてしまいます。これは、食べ物の消化に欠かせない胃液の分泌や栄養の吸収、老廃物の排泄など、胃腸のあらゆる働きに自律神経が大きく関係しているからです。
例えば、胃痛の場合、胃液の分泌をコントロールしている自律神経の乱れによって、胃液のバランスが崩れ、胃酸が過剰に分泌されてしまいます。胃酸過多になると、空腹時にも胃酸分泌がさかんになり、胃粘膜を傷つけて胃の痛みを引き起こしてしまうのです。
食欲不振&胃腸の不調を改善!
食欲不振や胃腸の不調を改善するために注意して欲しい、4つのポイント。
1:規則正しい生活をする
不規則な生活は、体内のリズムを乱すだけでなく、心の健康も害しやすくなります。規則正しい時間に食事を摂る、早寝早起きを心掛け、質の良い睡眠を充分にとるようにしましょう。
2:ストレスを発散させる
音楽を聴く、好きな香りを楽しむなど、自分なりのリラックス方法を見つけ、ストレス発散を心掛けましょう。悩みは、自分一人で抱え込まないことも大切。家族や友人、専門機関に相談するなど、周囲の力を借りながらストレスを解消するのもひとつの方法です。
3:適度な運動を心掛ける
運動不足が続くと、胃の機能が低下し、胃もたれなどを起こしやすくなります。適度な運動はストレス解消にも効果があるので、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動や、腹筋・腕立て・前屈などの筋肉運動を、無理のない範囲で行うようにしましょう。
4:消化の良い食べ物を選ぶ
胃腸の機能低下が食欲不振に影響していることが多いので、弱った胃腸に負担をかけない食事を意識することが大切です。鶏のささみや白身魚などの脂肪分の少ない食材や、りんご、じゃがいも、にんじん、青菜など、消化に良い食材をやわらかく調理して食べるようにしましょう。
5月は、食欲不振や胃腸の不調など、未病の症状が現れやすい季節です。リラックスした時間を過ごしながら、ぜひ、4つのポイントを見直してみてください。胃腸の不調や食欲不振が長引く場合は、必ず医療機関を受診するようにしましょう。
【参考URL】
<e-ヘルスネット 厚生労働省>
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
<東京都病院経営本部>
https://www.byouin.metro.tokyo.lg.jp/shoukai/eiyou/kaiyou/