ライフスタイル
心と身体の感度をあげる「断食と排毒」
心身共に健康で、常に愉快でたまらないマクロビオティックな生き方
2020.2.7
「玄米菜食で大食い」VS「肉魚を中心に少食」
「玄米菜食で大食い」と「肉魚を中心に少食」では、どちらが身体への負担が少ないでしょうか? 食べ物が体内に入ってくると、消化器官が働いて消化活動を始めます。常に沢山のものが入ってくる食生活だと、消化器官はオーバーワークで、早く疲れてしまいます。食べる量が少なければ、消化器官の労働時間や消化活動が少なくてすむので、消化器官は長持ちするだろうと予測できますね。また、年中無休で働いていたら、誰だって早くバテてしまいます。一年に一回でも良いので、24時間全く食べ物を入れない断食をし、消化器官の休息日を作ってあげたら、消化器官はもっと元気に長持ちするはずです。更に、私達の腸では、酵素が作られていて、この約8割が消化活動に使われ、後の2割が排泄(排毒)や修復に使われています。断食をして、食べ物が入って来なければ、消化に使われている酵素は、全て排泄や修復に使われるため、体内の老廃物や毒素は排出され、傷や弱った内臓等がどんどん修復されていきます。現に、自然界の動物は、具合が悪い時や怪我をした際は、自ら食を断って自分で治しています。
デトックス/排毒と一言でいうけれど
断食をすると、新陳代謝が活発になって、血液やリンパ液の流れも良くなり、食べ物が入ってこなければ、普段消化に使われている全ての酵素が、胃や腸の改善の為に働きます。そうすると、消化器官のスタートである口内の舌に、白や薄黄色等の舌苔が出てきます。口中が臭くなり、尿は濁って泡が立つようになります。これらは毒素が出ていくことで起こるものです。脂肪が代謝され余分なものは燃焼して取れるので体重も減少します。
断食(ファスティング)中に様々な不快な症状がでてくるとよくいわれますが、だるい、眠い、頭痛、気持ちが悪い、湿疹が出る、足がむくむ、痛み、発熱、悪寒、咳、鼻水等々、これらは、脂肪が急激に溶けて尿が濃くなり、腎臓が代謝しきれずにおこる排毒症状と考えられます。浄化作用のある肝臓と腎臓の機能がうまく働いていない人ほど、この排毒症状は重いです。こういった排毒症状は、体内の毒素を宿便である程度出す過程なので継続するものではなく、毒素は体内を周って出て行きますから、排毒症状は移行していきます。
クライアント様の中には、持病が消えたり、癌細胞等も代謝され消えたというケースもあります。毒素が出て、修復も促されますから、お肌も若返り綺麗になっていく方も多くみられます。また、断食をすると悩みや不安がなくなり、直感力や判断力が冴えると言われるのは、頭の血液も綺麗になっていきますので、いわゆる「頭が冴える」状態なのです。
食べないだけが断食じゃない!
マクロビオティックを最初に世界に広めた櫻澤如一は、どんな病も七号食を1週間行えば改善すると言っていました。この七号食というのは、穀類を100%食べると言う食事法です。野菜のおかずの量が増えて行くと六号食、五号食…というようにランクが下がっていき、動物性食品が入ってくると-1号食、-2号食という様に、マイナスの数が増えて行きます。
しかし、食生活やライフスタイルが複雑化した現代では、水飲み断食、玄米粥断食、無塩食、穀物採食の食事全体量を半分にした半断食、葛断食等々、断食や少食のやり方は、人によって合うものが異なります。
「少食で良く噛む」ことが一番大事
昔から、「腹八分目に医者入らず」と言いますが、普段から腹六分目にしていたら、大病にかかることはまずないと感じています。マクロビオティックは、何かを制限する食事法ではなく、「少食で良く噛む」ことが一番大事です。自然界で食べ過ぎているのは、人間だけです。どうしても大食いの人は、半年に一度、一年に一度でも良いので断食を行い、内臓を休ませてあげると、内臓はより長持ちをして、さらに快適な人生になっていくと思います。断食に興味を持たれた方は、自分に合った断食法を、マクロビオティック指導者等の指示の元で行うことをお勧め致します。
2005年マクロビオティック教室ラ・コシナ・デ・ミナカを東京で開講。2008年山梨県に居を移し小淵沢でも開校。2014年ハワイ島、2015年カルフォルニアに住み、マクロビオティックを3年近く現地の人達に伝える。国内外で講座・合宿等を通し、2,000人近くの方々を指導。幅広い視野での分かりやすい講義が好評。
http://cocina-minaka.com/