会員数250万人のメンタルヘルスケア専門企業が運営する「未病ケアラボ」

  • TOP>
  • メンタルケア>
  • アンガーマネジメントでハラスメントを克服する5つのヒント 

メンタルケア

アンガーマネジメントでハラスメントを克服する5つのヒント 

2020.4.23

怒りやストレスを減らして楽になるヒントを5つ紹介します。

① <腹が立ったときはひと呼吸置く>
② <怒りの強さをスケーリング>
③ <怒りが湧いている自分をそのまま受け止める>
④ <ユーモアの力を発揮>
⑤ <怒りを手放す>

最期に、流行りのマインドフルネスで怒りを対処するヒントを、ティックナットハンの言葉からみてみましょう!

いま、パワーハラスメント対策が熱い

6月パワハラ法制化に伴い、企業で働く方々の「パワハラ対策」意識はますます高まっています。企業の対策はもちろん必要ですが、最終的には個人の意識の変革にかかっています。たとえば、指導と叱責の境目がわかりづらいという声がよく聞かれますが、怒りなどの感情に任せた言動は完全にアウトです。では、沸いてしまう怒りの感情をどのようにコントロールしたらよいでしょうか。

当社には、ハラスメント専門でご相談をお受けしている窓口もあります。
ご相談のなかには、「イライラしてしまう」「イライラがとめられない」「怒ってしまう自分がイヤ」など、怒りのご相談をお受けすることがよくあります。その際に、「怒り=悪、怒りはなくすべきもの」と考える方が多いようです。

確かに、多くの宗教で、怒りはネガティブな感情として位置づけられています。たとえば仏教では、克服すべき三毒とされる基本的な3つの貪・瞋・癡(とんじんち)の、瞋(しん)が怒りとされています。三毒は、人間の諸悪・苦しみの根源とされていて、貪はむさぼり必要以上に求める心、瞋は怒りの心、癡は、真理に対する無知の心のことです。

しかし、人にはたくさんの感情があり、どの感情も大切な意味があります。それは「怒り」も同じで、頭ごなしに叱られるなど、自分自身が尊重されない時に頭にくるのは、自分を守るために必要だからだとされています。アラバマ大学のドルフ・ツィルマン博士(Dr. Dolf Zillmann)は、怒りのしくみを「危険にさらされたという意識が怒りを喚起する」としています。(※参照1)人の生存本能からくる当然の感情といえるからこそ、怒りを感じないようにするというのも難しいわけです。そのため、怒るのは悪いことだからと我慢してしまうと、かえって不満がつのり、大きな怒りとなって爆発してしまうということがあるのです。つまり「怒り」は当然あるべきものとして、適切に対処していく必要があるといえます。では適切ではない「怒り方」というのはどんなものでしょうか。

どんな場合にアンガーマネジメントが必要?

以下に挙げた「怒り方」をしている場合は、その怒りによる行動は適切なものか振り返ってみていただきたいと思います。

◎ いつも怒ってしまう(頻度が高い)
◎ 怒りがずっと続く(持続性)
◎ 強く怒ってしまう(強度が高い)
◎ 怒りをぶつけてしまう(攻撃性)

ただし、注意が必要なのが病気の症状である場合です。例えば、うつ病の症状としてイライラして仕方がない、感情がコントロールできない状態である場合などです。また、発達障害やパーソナリティ障害がある方の中には、怒りを抱えやすい状態になっていることもあります。このような場合には、自身の怒りのコントロールに向き合うのは大変難しいことが多く、カウンセラーや主治医に相談してみることをおすすめします。

※「ハラスメントしやすいひとつのタイプ、自分はちがう?」

ハラスメントしやすいひとつのタイプ、自分はちがう?

つぎに、怒りやストレスを減らして楽になるヒントを5つ紹介します

腹が立ったときはひと呼吸置く

怒りの波は時間がたつと自然におさまることがあります。売り言葉に買い言葉になるのを避けるためにも、頭の中で「おっと、おちつけ」「カチンと来たなあ。でも自分の成長の糧になるかも。。」など、切り替えのことばを唱えてみます。

怒りの強さをスケーリング

例えば5段階評価でランクを付けてみると、自分の状態を客観視し易くなる。
例:「ランク2くらいかな。それくらいならいつも乗り切れているからへっちゃらだ。」とあえて口にしてみる。

怒りが湧いている自分をそのまま受け止める

こんなことで怒ってしまった自分はダメだ、などと自分を責めないようにする。
ああ自分は今怒っているなあ、とそのまま認める。

ユーモアの力を発揮する

ちょっと高度かもしれませんが、
“この出来事をもし友人に話す笑い話にするとしたら”
“この状況で何か笑えることがあるとしたら何だろう” と考えてみる。

怒りを手放す

怒りを解消しようとするあまり、相手を変えてやろう、仕返ししよう、とぐるぐる考え続けると更に怒りが濃縮されてくる。そのことを考えるのをいったんやめて、もともと自分がするはずだったことにとりかかってみる。

マインドフルネス目線のアンガーマネジメント

すっかりポピュラーになったマインドフルネスですが、実践している方はまだまだ少ないのではないでしょうか。Google社が専門家とともに開発したマインドフルネス実践法「SIY(Seach Inside Yourself)」の本の中で、マインドフルネスはEQ(こころの知能指数)をあげるとしています。長年瞑想を実践しているチベットの層の脳内での反応を調べると感情コントロールに対する脳内シナプスができていたり、他の治験においても脳内の灰白質が増えているなどの記録が書かれています。怒りのコントロールを本気で考える方は、ぜひ指導者のもとで始められることをおすすめします。

以下は、ダライ・ラマ14世と並んで平和活動に従事する代表的な仏教者であるティックナットハンの怒りに関する講演記録から抜粋。

『怒りを受け入れることについて』

『怒りを受け入れることについて』
-2001年9月25日 @N.Y. リバーサイド教会にて-

「(戦争での出来事に)わたしは怒りを感じた。しかし、そのときわたしはすでに仏道の実践者だったので、怒りの表現としての発言や行動を何もしなかった。なぜなら、怒りの中にあるときに怒りの言葉や行動をすることは賢いことではないことをすでに知っていたからだ。多くの破壊をもたらすだろうことを。わたしは正気に戻り、自分の怒りに気づき、それを恥じてそして、自分の苦しみの本質を見つめた。

仏道においては、マインドフル呼吸、マインドフルウォーキングをマインドフルネスの状態(原文ではエネルギーと表現している)を生成するために練習する。私たちが怒りを認識し、受け入れ、変えることができるのは、まさにそのマインドフルネスの状態である。マインドフルネスは、私たちの内側や周りで何が起こっているのかを認識するのに役立つエネルギーの一種であり、誰もが心を(いまに)留めることができる。

(戦争の出来事に関して)私は非常に怒った。だが、私は何も言わなかった、私は何もしなかった。仏道の実践者として、私は呼吸に戻り、私は深く自分をみつめた。私の中に思いやりが生まれ、そして、わたしはこの詩を書いた。

「わたしは両の手を自分の顔にあて、いだく。
泣いているのではない。
わたしは2つの両の手で顔をいだく。
わたしの孤独な気持ちを温めるために。
わたしの心を護るために。
わたしの心を育むために。
わたし自身を怒りの中に置き去りにしないために。」

“I hold my face in my two hands.
No, I am not crying.
I hold my face in my two hands.
To keep my loneliness warm
Two hands, protecting,
Two hands, nourishing,
Two hands preventing
My soul from leaving me in anger.」

アラバマ大学のドルフ・ツィルマン博士の怒りへの対処法も、マインドフルネス視点からのアンガーマネジメントも、怒っている自分を俯瞰して見ること、ひきずらないこと、がポイントのように思います。今回の5つのヒントは、それをわかりやすく具体的に実践に落とし込んだもの。毎日を過ごす中で色んな感情を持つのは自然なことですし、喜怒哀楽は人生の大事なスパイスでもあります。自分の怒りと上手につきあう習慣を身につけていけるといいですね。

*「毎日の生活に取り入れるマインドフルネスのすすめ」

毎日の生活に取り入れるマインドフルネスのすすめ

最後に

怒りグセのある人は、だんだん怒る沸点が低くなっていくというTVをみたことがあります。怒ってる自分がその環境で受け入れられることを確認してしまったのですね。怒ってしまったら、総スカンをくらうことがわかっていたら、簡単に怒れませんね?

ペナルティがあれば、その行為をすることにブレーキがかかります。その意味でもハラスメント防止法の制定や通報の仕組みを設定することは効果があがると思います。ハラスメント防止法を社内就業環境改善に有効に活用するという目線もうまれてきます。プロの専門家集団への一度ご相談されることもおすすめいたします。

※1
ティク・ナット・ハン(Thích Nhất Hạnh )は、ベトナム出身の禅僧・平和・人権運動家・学者・詩人。ダライ・ラマ14世と並んで、20世紀から平和活動に従事する代表的な仏教者。アメリカとフランスを中心に、仏教及びマインドフルネスの普及活動を行なっている。

From「 Buddhism Today 」
http://www.buddhismtoday.com/english/ethic_psy/embracing_anger.htm
A Public Talk by Thich Nhat Hanh at the Riverside Church, New York – September 25th, 2001

※参照1
*Cognition‐excitation interdependences in aggressive behavior
Dolf Zillmann, First published: 1988
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/1098-2337(1988)14:1%3C51::AID-AB2480140107%3E3.0.CO;2-C

株式会社セーフティネット 企業様向け
ハラスメント相談窓口 お問合わせはこちらから
https://www.safetynet.co.jp/harassment/

  • f
  • LINE